ドローンが飛行している状態で耐えられる風の力には限界があります。ドローンには飛行状態を維持するためにGPSやジャイロ、加速度計、気圧センサなどを搭載していますが、強い風によりドローンの姿勢を制御できない場合は、ホバリング中であっても風で流されたり、墜落したりする可能性も考えられます。
メーカーのマニュアルを確認し、ドローンの耐風性能を調べると同時に、耐風性能よりも強い風が吹いている時にはドローンの飛行を行わない選択も求められます。
気象庁の風力階級
気象庁では風の強さの目安として、0から12までの13階級に分けた風力階級を採用しています。
風力 | 風速(m/s) | 陸上の様子 |
---|---|---|
0 | 0.3未満 | 静穏,煙はまっすぐに昇る。 |
1 | 0.3以上1.6未満 | 風向は煙がなびくのでわかるが風見には感じない。 |
2 | 1.6以上3.4未満 | 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。 |
3 | 3.4以上5.5未満 | 木の葉や細かい小枝絶えず動く。軽い旗が開く。 |
4 | 5.5以上8.0未満 | 砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる。小枝が動く。 |
5 | 8.0以上10.8未満 | 葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ。 |
6 | 10.8以上13.9未満 | 大枝が動く。電線が鳴る。傘は差しにくい。 |
7 | 13.9以上17.2未満 | 樹木全体が揺れる。風に向かっては歩きにくい。 |
8 | 17.2以上20.8未満 | 小枝が折れる。風に向かっては歩けない。 |
9 | 20.8以上24.5未満 | 人家にわずかな損害が起こる(煙突が倒れ、瓦がはがれる)。 |
10 | 24.5以上28.5未満 | 陸地の内部では珍しい。樹木が根こそぎになる。人家に大損害が起こる。 |
11 | 28.5以上32.7未満 | めったに起こらない。広い範囲の破壊を伴う。 |
12 | 32.7以上 | − |
ドローンの耐風性能
マニュアルや仕様書を確認することでドローンの耐風性能を知ることができます。例えば、DJIのMAVIC PROであれば、風速レベル5までの耐風性があり、風速は毎秒8~10.7メートル、葉のある潅木が揺れ始める程度の風が限界であり、ZEROTECHのDOBBYであれば、風速レベル4までの耐風性があり、風速は毎秒5.5〜8メートル、砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる程度の風が限界です。
ドローンを飛行させる前には、目視で周囲の木々や葉っぱの揺れを確認します。ハンディタイプの風速計を使い、風の強さを数値で測ることも大切です。ハンディタイプの風速計は小型軽量であり、ドローンと一緒にバッグに入れておくと便利です。
ドローンの耐風性能以上の風が吹いている時に、ドローンを飛行させることは危険ですが、耐風性能以内であっても、機体が常に斜めになっているなど飛行が安定していない時は中止したいです。
風が強い時は、ドローンが飛行位置を確保するために大量のバッテリーを消費するため、飛行時間や飛行距離が短くなる上、無風時に比べ飛行技術が求められます。
一般的にドローンは、機体重量が重いドローンほど風に強く、機体重量が軽いドローンほど風に弱い傾向にあります。
気象情報の入手を怠らない
ドローンを飛行させる当日は、ネットやテレビなどで天気予報やアメダスなど気象情報を入手しましょう。飛行場所に到着してからでも、近くに雨雲がないか、雷が発生していないか、強い風は吹いていないかなど、目視で確認することも大切です。